抄録
未就学の重度障害児は, 身体障害により読み書きや意思表出が困難である。生活環境により, 成功体験が少ないことに加え, 認知能力を正しく評価されないため, 学習に移行しにくい。 方策として, 近年では視線入力を活用した因果関係の獲得から学習まで盛んに行われている。本稿では, 視線入力等を使った学びに注目し, 次の3つのステップを行う方法を提案する。最初に, PC・タブレットに対する因果関係の獲得を行い, 次に, 随意的なスイッチおよび視線操作を獲得する。最後に, 平仮名および文字によるコミュニケーションの習得を目指す。本ゲームの構成要素は3つあり, ゲーム性を用いた操作の取得・ヒートマップによる認知面の客観的評価および視線操作等の定量評価である。本論文では, ゲーム活用による結果として, 視線操作技能の向上と自主的に取り組んだ効果を述べる。