抄録
天体を知るためには, 星座早見盤やプラネタリウムなどが用いられるが, これらは地球から見た球面としての宇宙であり, 天体間の相対的な距離感覚を立体的に理解することができない. そこで, 3次元仮想空間上に恒星を配置することによって, 天体を立体的に捉える教材を制作した. 本研究では, 開発環境としてゲームエンジンUnrealEngine4を用い, 大規模な宇宙空間内を自由に移動できるシステムを開発した. 本システムは, 宇宙空間をヘッドマウントディスプレイによって立体的に観ることが可能である. 地球から見た恒星や星座が, 立体的にどのような配置になっているのかを把握することで, これまでの星座早見盤やプラネタリウムの情報では理解しづらかった恒星の相対的な距離などを直感的に把握することが可能となった. また, ユーザーは宇宙空間内を自由に移動できることで, ただ宇宙を鑑賞するだけの資料ではなく, 自ら操作して楽しめるコンテンツとなっている.