抄録
本研究では, ゲームエンジンを用いて藤沢市沿岸部における津波発生時の避難行動シミュレーションシステムの開発を行った. 国土地理院のオープンデータを用いて作成した藤沢市沿岸部のモデル上に, 自律的に避難行動を行うエージェント群をランダムに配置する. エージェントには2種類の避難行動と3種類の年齢属性をそれぞれ付与し, 指定した避難所までの避難行動についてシミュレーションを行う. 被災者が集中する箇所や通行が困難になる箇所を明らかにすることで, ハザードマップを作成する際の基盤情報として活用できるツールになると考えられる. シミュレーションの結果, 沿岸部だけでなく河川を中心とした海抜の低内陸部においても被災者が集中する箇所が存在することが確認できた.