抄録
デジタルゲームは、高齢者の認知トレーニングとしての効果が検証されており、海外では高齢者のeスポーツチームが活動している。そこで本研究は、高齢者にとってeスポーツが受け入れられるものなのかを検討するために、日常的にデジタルゲームをプレイしていない高齢者を対象に、eスポーツを学ぶ講座を実施し、受講前後でのeスポーツへの興味・関心、参加意欲などについて質問紙による回答を求めた。その結果、受講前よりも受講後の方がeスポーツに対する興味・関心と参加意欲が上昇した。また、スポーツを始めるにあたって、ゲームのルールや操作に不安を感じると回答している一方、教えてくれる人や一緒にプレイする仲間がいれば参加してみたいとの回答が得られた。これらのことから、eスポーツを適切に学ぶ機会を提供し、参加をサポートする体制が整えば、高齢者がeスポーツに取り組むことが可能であることが示唆された。