抄録
本研究では、教育利用された脱出ゲームが社会情動的スキルの獲得に与える影響についてこれまでに行われた研究を参照しながら検討した。結果、社会情動的スキルの育成を副次的な目標とするような脱出ゲームにおいても、一定水準の「関係構築」スキルの育成が行われていることから、脱出ゲームはその構造自体が「関係構築」スキルの獲得にある程度寄与するものであると考えられる。しかし、効果的に社会情動的スキルを育成するためには、「SAFE」の原則にそって、脱出ゲームを含むプログラムを設計する必要があることが示唆された。