本研究では、情熱の二元論モデルに基づいて、ビデオゲームに対する情熱(調和的情熱、脅迫的情熱)がビデオゲームとウェルビーイングの因果関係をモデレートするという仮説を立て、分析を行った。前提となる因果関係の特定には、抽選による自然実験的な状況で収集したオンラインサーベイデータを用いた。分析の結果、調和的情熱のみがゲームとウェルビーイングの因果関係をモデレートすることがわかった。具体的には、調和的情熱の高い人はビデオゲームがウェルビーイングを高める効果が見られたのに対し、調和的情熱の値が低い人には、ビデオゲームがウェルビーイングを高める効果が見られなかった。一方、ゲームの因果効果に対する脅迫的情熱のモデレーションは、本研究では見られなかった。