抄録
近年、SNS の影響などによりポストトゥルースの時代が到来し、事実よりも感情や個人的な信念が優先される傾向が
強まっている。本研究では、このような社会状況を学習する手段として、生成AI を活用したジャーナリングRPG「揺れる
市民の選択」を開発し、プレイヤーが仮想的な選挙状況を通してプレイヤーが情報の偏りや極端化を体感的に理解する
ことを目指した。テストプレイの結果、プレイヤーに政治とメディアの関係について考えを深め、自らの意見を整理しやす
い効果があることが示唆された一方で、文章量や演出面の改善が求められた。今後は学習者の多様なニーズに応じた
ゲーム設計の検討が必要である。