抄録
本稿は、ポケモンカードをめぐる筆者のTCG プロゲーマー経験を分析志向型オートエスノグラフィーとして記述・概念化し、制度的資格の乏しい領域で職業性がいかに成立するかを検討する。語りの分析から、TCG プロゲーマーの職業性は①名乗りを通じた責任引受、②SNS 上の可視性管理とスポンサー/ファンとの関係労働、③引退後の接続回
路が弱いことによるキャリア不透明(専業化圧)によって支えられることを示す。これにより、TCG プロは制度化された競技職の単なる分岐ではなく、接触型インフルエンサーに近い職能構造を持つ可能性を論じ、キャリア循環を補う制度設計の含意を提示する