抄録
音楽的インタラクションを伴う視覚課題が視覚野活動に及ぼす影響を近赤外分光法(NIRS)により検討し、弱視訓練課題設計への示唆を得ることを目的とした。健常青年7 名(平均21.0 ± 0.5 歳)を対象とした。デジタル楽器Ratatone®を用い、「視覚刺激のみ」、「眼と手の協調運動」、「眼と手の協調運動+音刺激」、「眼と手の協調運動+音刺激+多重
音」の4 条件を設定した。LIGHTNIRS を用いて後頭葉視覚野の酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)変化を測定し、レストとタスクの差を比較した。全条件においてタスク時のoxy-Hb 動態変化はレスト時と比較して有意に低下した(p <0.01)。音刺激および多重音付加条件においても同様の低下傾向が認められた。音楽的要素の付加のみでは視覚野賦活が必ずしも増強されないことが示され、弱視訓練課題には視覚注意を主導する設計が重要であることが示唆された。