抄録
ゲーミフィケーションは2010 年代に登場して以来、学習者のモチベーションを高めるための手段として注目されてきた。しかし、その多くは単発的な授業実践や試験的導入にとどまり、日常的な教育現場に定着しているとは言い難い。一方、教育分野においてはモチベーションからより包括的な概念であるエンゲージメント(学生エンゲージメント)へと研究の焦点が移り、日常的な教室環境において学習者を没頭させ、積極的参加を高めるような学習デザインに関心が集まっている。本稿の目的は、ゲーミフィケーションが今日の日常的な教育実践で活用されていくために、エンゲージメント概念との接続に着目して先行研究を概観し、どのような理論的枠組みが学習デザインの実践的な指針となりうるかを検討することである。特に、Landers によるGamified Learning Theory とRivera & Garden によるGamification for Student Engagement Framework を手掛かりに、ゲーミフィケーションを一般的な教育設計過程の延長にある学習デザインのためのリソースあるいはリファレンスとして再定義することを提案する。