日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集
Online ISSN : 2758-6480
第16回 年次大会
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特選セッション
真面目を楽しむシリアスゲーム論
―『コメンテーター』開発実践から考える「知的快楽としての真面目さ」―
*伊藤 大輔
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 9-13

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抄録
本研究は、報道番組を題材としたインディーゲーム『コメンテーター』の開発実践を通じて、「真面目さそのものが知的快楽として成立しうる」ことを示す。従来のシリアスゲーム研究は、説得(Bogost, 2007)・批評(Flanagan, 2009)といった目的志向的アプローチに依拠してきた。しかし本作の制作と展示会での観察は、真面目な題材に向き合う行為自体を楽しむ非目的的プレイヤー経験を明らかにした。展示会で、来場者が政治・倫理・社会問題を「読解し・判断し・語ること」を楽しむ姿が見られた。この現象は、真面目さを学びや批評の「手段」として扱う従来モデルとは異なる「真面目さの快楽」の存在を示唆している。分析の結果、真面目さの快楽は(1)読解の知的快楽、(2)判断の倫理的快楽、(3)共有の社会的快楽から構成されることが確認された。本研究は、「真面目=快楽」という非目的的アプローチの可能性を提示する。
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