抄録
本研究では,ゲームのUI におけるアニメーションがプレイヤーの短期記憶と体験に与える影響について検証した.独自に開発したアイテム配置型のミニゲームを用い、被験者にアイテムの配置を記憶し,位置を再現するタスクを行わせる.その後,2 つの被験者群それぞれに複雑さに差があるUI アニメーション演出を見せ,さらにミニゲーム時の記憶内容をテストした.プレイ得点では両群に明確な差は認められなかった一方,アニメーション提示後の配置記憶得点はアニメーションの複雑さが低い群が高い傾向を示した.装飾的演出が短期記憶保持に干渉しうる可能性が示唆された,また主観的指標では複雑さが高いアニメーションを提示した群が没頭やフロー等で高い傾向を示した.娯楽目的のゲームにおいては記憶量が減る事で認知負荷が減り体験向上に役立っている可能性がある一方、学習向けゲームではアニメーションの複雑さが学習効率を下げる可能性もある事を示唆している.