抄録
日本企業はもちろん、欧米のメディア・コングロマリットなど、世界各国のコンテンツ企業は、メディアミックスを導入している。中国においてもそれは例外ではない。ただし、中国における事業環境は、日本や欧米のどれとも異なった独自の環境である。よって、経営環境論に基づけば、日本や欧米のそのどれとも意を異にするメディアミックス形式が生まれるだろう。本研究は、繁体語ならびに簡体語を主に用いる国々を広義の意味での「中国」としてとらえ、ゲーム企業を中心に、そこで形成及び発展がおこなわれた、メディアミックスについて比較事例分析をおこなった。その結果、海賊版が圧倒的な存在であり著作権に対する認識が希薄だったころから、メディアックスがおこなわれ、そのが、オンラインエンターテインメントが主要な位置づけとなった現在に至るまで、独自の発展がなされていることが明らかとなった。