抄録
デジタルゲームをプレイするとき、プレイヤーは様々な枠組みを用いてゲームの中の出来事の解釈を行う。Fine[5] はプレイヤーがゲームの中の出来事に関して発言するとき、二つの階層的なフレーム、もしくは枠組みに基づいて発言すると述べている。それらは、プレイヤーがいる現実に基づく「人間」の枠組み、ゲームに参加する「プレイヤー」の枠組み、ゲーム世界に存在する「キャラクター」の枠組みである。同じ行動であっても用いる枠組みによってその意味が異なる。本研究ではプレイヤーが解釈に用いる意味づけの枠組みとゲーム内の向社会的行動の動機づけとしてのキャラクターに対する共感の関係を明らかにする。質問紙調査を通してデジタルゲームのおけるプレイヤーの意味づけの枠組みとほかのキャラクターに対する共感の関係とそれが向社会的傾向に与える影響を明らかにした。