抄録
本研究では、ゲーム世界のマルチモーダル・ディスコース分析枠組みに基づき、『原神』における「璃月」の文化的イメージの構築について考察した。「璃月」は世界観やキャラクターの文化的背景の設定、祝祭日イベントの開催などを通じてその文化のコンテクストを作り上げる。また、状況のコンテクストは文化のコンテクストによって制限され、ゲーム世界におけるキャラクター間の具体的なコミュニケーション行動を通じて文化的イメージを間接的に提示することが可能である。さらに、コンテクストの影響下にあるコンテンツ層と表現層において、シーンとキャラクターという二つの側面に現実の文化的要素を多く取り入れ、多様なモードの配置によってその文化的イメージを構築する。