日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集
Online ISSN : 2758-4801
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特別企画
ゲームデザイン(セッション1)
  • ―ヒットストップおよびスローモーション演出との相互作用に着目して―
    杉山 大騎, 井ノ上 寛人
    p. 11-14
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    アクションゲームでは,攻撃命中時に表現される視覚効果をヒットエフェクトと呼ぶ.その代表例である画面振動は,力による衝撃が起こったかのような感覚を与え,攻撃の手応えを強調する演出として広く用いられている.実際のゲームでは複数のヒットエフェクトを組み合わせて用いることが多いが,組み合わせによる効果は定量的に明らかにされていない.そこで本研究では,画面振動,スローモーション演出,ヒットストップの単独条件3種と,画面振動をこれら2種にそれぞれ組み合わせた条件2種について,一対比較法により印象を主観評価した.その結果,0.1〜0.2秒の範囲では,組み合わせ条件は単独条件を有意に上回る「加算効果」と,ヒットストップとスローモーション演出の差が打ち消される「マスキング効果」が確認された.また持続時間が0.4秒に達すると,これらの効果が消失することから,効果を最大化する最適な持続時間の存在が示唆された.
  • 五月女 駿也, 木戸 剛生, 日下田 翔平, 飛田 博章
    p. 15-20
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    汎用ゲームシステムであるLudaxをベースとして、ボードゲームのバランスに関する様々な指標を自動算出する評価システムを提案する。従来は、駒の数・移動方法や盤面構成などのパラメータを、ゲーム構築時に経験的に調整する必要があった。本システムを用いることでゲームバランスへの影響を定量的に分析可能となり、評価指標に基づいたゲームの設計調整・検証が可能となる。
  • ――「あんこスレ」における公開ダイスと非対称プレイの構造
    劉 昊宇
    p. 21-24
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    「あんこスレ」は、匿名掲示板のダイス機能を用いて単独の書き手が物語を即興連載する、2ちゃんねる文化圏自生の遊びの形式である。書き手は選択肢を並べたダイス表を投稿し、サーバ側で生成・公開される出目に従って物語を書き継ぎ、読者は安価(レス番号参照)を通じて間欠的に参加する。本発表はこの形式を固有のデジタルゲームとして分析する。第一に、書き手の側からは改竄できない公開ダイスと偽造不能なレス番号という掲示板の計算機能がこの遊びの成立条件であり、掲示板は物語を掲載する媒体ではなくゲームの実行環境として機能していることを示す。第二に、書き手=プレイヤー、読者=観客を基調とする非対称なプレイ構造を、TRPGおよびソロRPGとの親縁性から記述する。あわせて、ダイス表の極端枠をめぐる慣習の変遷を9作品のパイロット・コーパスから予備的に検討する。以上により、あんこスレを、ゲーム固有の規則実装を持たず汎用計算基盤と共同体慣習との接合によって成立するデジタルゲームの一類型として提示する。
  • ―平和構築への相互概念拡張―
    中尾 優奈
    p. 25-30
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本発表は、ゲームデザイン/ゲーミフィケーションと、現代軍事理論の中核である作戦術・ハイブリッド戦との相互概念拡張を試みる。宇露戦争ではゲーミフィケーションの軍事転用が現実化した。しかし、既存のゲーミフィケーション研究は、非軍事領域も含め、戦略階梯における技術・戦術レベルに偏っている。本発表はゲーミフィケーション及びゲームデザインを一段高位の作戦術の水準から再考する。まず、トウェイン「トム・ソーヤーの冒険」におけるペンキ塗りのケーススタディを精読し、作戦術・ハイブリッド戦的ゲームデザインとは何かを位置付ける。次に、」「人狼」「桃太郎電鉄」「ディプロマシー」にみられる、相互の欺騙・加害がどのようにゲームとして受容されるかを分析する。最終的に、「現実をゲームデザインするための作戦術及びハイブリッド戦的アプローチ」の検討を考察する。
eスポーツ
シリアスゲーム1
  • ―看護師のための人工呼吸器離脱アセスメントを学習するシリアスゲーム型教材―
    木村 理加, 古市 昌一
    p. 46-48
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    看護師には継続的な自己学習が求められるが,交代制勤務などにより,学習時間の確保や学習意欲の維持が課題となる.本研究では,人工呼吸器離脱に関する臨床判断能力の育成を目指し,シリアスゲーム型教材『RESPI』を設計した.本教材は,隙間時間での学習を通して自身の知識や判断の不足に気づき,その後の自己学習につなげることを目的としている.また,現実の臨床では経験する機会の少ない判断について,ゲームという安全な環境の中で一歩踏み込んで考えられることに着目した.教材は,多数の患者情報から異常を探索・判断する第1 ステージと,人工呼吸器モニターの波形から異常の原因と対応を考える第2 ステージで構成した.ゲーム要素として,臨床場面を模したストーリー,時間制限,判断・選択に対するフィードバックを取り入れた.本稿では,これらの教育的意図に基づく教材設計とゲームメカニクスについて報告する.
  • 新谷 洋介
    p. 49-52
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    コンシューマーゲームにおける操作方法を把握するため、ジャンル別に各種ゲームのコントローラーのボタンや設定される主な機能を「ゲーム操作方法チェック項目」を用いて調べた。また、上肢障害のあるゲームプレイヤーからも意見を聞きプレイ方法やニーズを収集した。本報告では、ジャンル別ゲームの操作方法と上肢障害のあるゲームプレイヤーの事例を参考とした支援の可能性を探る。
  • 訓練装置から作業参加のメディアへ
    伊東 和哉
    p. 53-58
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿は、リハビリテーションにおけるゲーム利用を治療効果の有無だけでなく、実際の利用実践に生じる価値から捉え直す概念的論考である。シリアスゲーム研究、作業療法・作業科学、参加概念、ゲーム研究の代表的文献を領域横断的に参照し、ゲーム利用を①課題遂行層、②作業経験層、③社会文化参加層という三つの分析視点から整理する三層モデルを提示する。課題遂行層は操作、反応、判断、難易度などを、作業経験層は選択、意味、挑戦、熟達、自己理解などを、社会文化参加層は他者との関係、役割、共同体、ゲーム文化への参加などを捉える。三層は排他的・段階的なものではなく、人、ゲーム特性、環境、時間という横断的条件のもとで重なり、相互に影響しうる。本モデルは、ゲームの治療効果や層間の因果関係を説明するものではなく、ゲーム利用のどの側面を記述・評価しているかを明確にし、研究上の問いを整理するための概念的分析枠組みとして位置づける。
  • 武田 希心
    p. 59-63
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、効果的な薬物乱用防止教育を目的として、4 面LED ビジョンを用いて臨場感のある視覚情報を表示する啓発シミュレーターを開発する。特に、幻覚状態など刺激的な映像表現を含む。しかし、そのような映像表現においては、国内外の各種ガイドラインによる制約が存在する。そこで、従来の単一画面を想定して策定された各種ガイドラインに対して、4 面LED ビジョンの没入的環境において開発したゲームで検討した結果を報告する。
工学1
  • 油井 太一郎, 福地 健太郎
    p. 64-69
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲームにおける操作アシストは初心者向けに有用だが、認知されると自律性の低下や不公平感を与えるおそれがある。本研究では、スティック入力による曲線路を含む走行課題に対して、プレイヤーに認知されにくい操作アシスト手法を開発し、常時アシストを適用する手法との比較を通じて走行精度の改善効果とアシストの体感について検証した。実験の結果、提案する手法は正確な走行を支援し、かつ支援が常時アシストを適用する手法と比較すると体感されにくいことを確認した。また、アンケートより後からアシストがあると知った際には抵抗感を感じる人が多い一方、初めて遊ぶゲームなどではアシストを利用したいと考える人が多い傾向が示された。
  • 小川 充洋
    p. 70-72
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、写真ではなく、漫画風イラストやゲーム画面などの非写実的な二次元画像を対象としたオブジェクトセグメンテーションに取り組む。想定する用途の一つは、ビデオゲーム画像に含まれるキャラクター、アイテム、背景要素などの認識作業を省力化することである。また、キャラクターデザインなどの二次元画像を、その構成要素ごとに分割する用途も想定している。例えば、人物や動物であれば、頭部、胴体、腕、脚などの身体部位ごとに分割し、機械であれば、筐体、関節、車輪、装甲などの部品ごとに分割する。従来の教師ありセマンティックセグメンテーションでは、多数の学習画像を用意するとともに、各画像について画素単位の正解マスクを作成する必要がある。このような教師データの作成には多大な時間と労力を要するため、対象となる画像や分類項目が増えるほど、アノテーション作業が煩雑になるという問題がある。これに対し、テキストプロンプトによって分割対象を指定できるセグメンテーション技術では、「人物の腕」「動物の耳」「ロボットの車輪」などの文言を入力することにより、指定した概念に対応する領域を抽出できる可能性がある。これにより、対象タスクごとに多数の教師画像や画素単位の正解マスクを作成する作業を削減し、ゲーム画像や二次元イラストの分析を省力化できると期待される。今回われわれは、Meta 社が開発したSegment Anything Model 3(SAM 3)を用いて、漫画風イラストを対象としたテキストプロンプトによるセグメンテーションを試みたので、その結果を報告する。
  • 下房地 勇人, 本田 澄
    p. 73-78
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は,LLM をゲームへ組み込むための手法を示すものであり,一例として,LLM とUnity を連携させた化学反応シミュレータを開発した.本シミュレータでは,ユーザが選択した複数の物質から,LLM が化学反応を推論し,Unity上でパラメータを持つ化学物質を動的に生成する.さらに,物質の色や反応時の効果音についてもLLM の推論結果を利用して決定する.今後,空想上の物質を扱うゲームシステムへの応用が期待される.
  • 大川 響生, 檀 裕也
    p. 79-81
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ホラーゲームにおいて、BGM はプレイヤーの恐怖感や緊張感、没入感を高める重要な演出要素である。しかし、多くのホラーゲームではBGM のテンポは固定されており、プレイヤーの生体情報に応じて変化する演出は一般的ではない。本研究では、プレイヤーの心拍数をリアルタイムに取得し、その値をBGM テンポ(BPM)へ反映させるシステムを提案する。本研究の目的は、BGM テンポの同期がプレイヤーの心理的・身体的反応に与える影響を明らかにすることである。Unity を用いて探索型ホラーゲームを制作し、BGM のテンポ制御方法として固定条件・実同期条件・擬似同期条件の3 条件を設定した比較実験を行う。実施順序による影響を統制するため、被験者間で条件の提示順序をカウンターバランスする。プレイ中の心拍数を測定するとともに、アンケートによる心理評価を実施し、BGM テンポの同期がプレイヤーの恐怖感、緊張感、没入感および心拍数に与える影響を分析する。
シリアスゲーム2
工学2
  • 野亀 真愛, 渡辺 大地
    p. 94-99
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、様々なコンテンツにおいて、魚群や鳥の群れといった群衆アニメーションは、より現実的で説得力のある仮想世界を創るために重要な要素である。本研究は、Boids アルゴリズムが球状にまとまりやすいという課題に対し、地形情報に基づく速度を足し合わせることで、群れ形状を制御する手法を提案する。地形メッシュから三角面と近似曲率を計算し、各個体に地形を避ける「回避」と、くぼみに誘導する「探索」の速度を加え、地形に沿った自然な形状変化を実現する。FlowField・ObstacleAvoidance・OffsetPursuitの既存手法と比較し、5 種類の地形で挙動を観察した。また、全個体の位置の共分散行列から固有値比を求め「球状度」を比較した。提案手法が複雑な地形で群れ形状が球状になることを抑え、地形適応した形状を生成する可能性を示す。
  • 石川 聖健, 伊藤 彰教, 三上 浩司
    p. 100-103
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、言語に依存せずにコミュニケーションを行うキャラクターの非言語的な発話表現を、ゲームエンジン上でリアルタイムにプロシージャル生成するシステムを開発した。感情と態度の組み合わせとそれぞれの強度によって生成する仕組みであり、一般的な手法と比較して少ないリソースでバリエーション豊かな表現を行えるという特徴がある。
  • ―モーションキャプチャーFemto BoltによるゲームUI開発―
    濱松 麻里亜, 檀 裕也
    p. 104-109
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    4 面 LED ビジョンに映された、3D モデルで作成したおむすびをマウスカーソルを当ててキャッチする Web ブラウザゲームを対象に身体動作によって操作できるゲーム UI を開発した。Kinect との互換性を持つ深度カメラであり、後継機として使われている Femto Boltで Azure Kinect Body Tracking SDKを使用して取得した身体情報からマウスカーソルを操作して、マウスやキーボードを使用しない非接触型の操作を実現した。マウスカーソル操作には座標方式と手の向きを使うベクトル方式を比較・検討した。さらに、4 面 LED ビジョンでの操作性向上のため表示面ごとに交点計算で用いる座標成分を切り替えることで表示環境に適したマウスカーソル操作を実現した。結果として、右手をマウスカーソルとして操作し、直感的におむすびをキャッチできるようになった。本研究により、4 面 LED ビジョンの特性を活かして従来の VRや普通のブラウザで行うゲームとは異なる没入体験ができるゲーム UIを開発できた。
AI
  • 三宅 陽一郎
    p. 110-113
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲームキャラクターが環境内においてはっきりとした認識を持つには、環世界からさらにそれを意識によって明確化した理知的世界を構築し、自己と行動を創発する必要がある.このような世界から意識的世界を立ちあえる運動を、実際のゲームキャラクターの実装を通じて行った結果を示す.具体的には、球体の敵キャラクターの表面上の模様を、知覚標識、感覚標識として設定する.その表面の模様を認識して、味方キャラクターはその球体が敵であることを認識し、その模様に対して攻撃を行う.ニューラルネットワークは移動用と、敵であるという認識用に 2 つ設定される.結果として、敵をニューラルネットワークで認識しロジックによって攻撃する挙動を味方キャラクターAI にさせることができた.
  • ―自由記述推理ゲームの実装とレビュー分析から―
    若林 魁人, 大澤 康太郎
    p. 114-119
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    生成AIはゲーム開発の効率化にとどまらず、ユーザー入力に応じて応答やシナリオを生成するゲーム体験にも活用されつつある。これらは個別最適化された体験を可能にする一方、その倫理的・法的・社会的課題(ELSI)についても議論される必要がある。本稿では、生成 AI とのインタラクションにみられるコミュニケーションや学習支援に関する特徴に着目し、生成 AI による個別最適化を目指すゲーム体験が、(1)異質な他者とのコミュニケーションに際して生じる葛藤の回避、(2)前提や問いの枠組みを自ら設定して問いを構成する思考プロセスの回避を促す可能性を提示した。この論点を検討する事例として、従来型AI による自由記述推理システムを実装した推理ゲームの Steam レビュー571 件を質的に分析した。その結果、特にネガティブな反応を示すユーザーからは「システム側がユーザーの意図を汲むべき」「ユーザーの入力や意図に応じてゲーム側が柔軟に応答・生成すべき」といった期待を示す記述が確認された。
  • 榮留 康, 服部 峻, 宮城 茂幸
    p. 120-125
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲーム AI 研究では専用の実験環境を前提とすることが多く、AI の判断材料の一つとして、ゲーム世界を表現したゲームマップが利用されている。本稿では、2D プラットフォームゲームのプレイ動画からゲームマップを生成するための第一歩として、地形と静的オブジェクトのみを含むステージ全体画像 (SSO: Static Stage Overview) を生成する手法を提案する。本手法は、カメラの移動量を推定する KSTE と、重ね合わせたフレームから画素値を決定する TPTA で構成され、その有効性を評価する。
ゲームと教育1
  • ― 言語化スキルと成果の関係に着目して―
    小野 憲史, 岸本 好弘, 水上 恵太, 児玉 賢史, 町出 智也
    p. 126-130
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    生成 AI の普及により、プログラミング未経験者によるゲーム開発のハードルが下がっている。そこで本研究では、ゲーム開発を学ぶ高等部生 14 名を対象に生成 AI(バイブコーディング)を用いたゲーム開発ワークショップを実施し、ワークショップ前後のアンケートと自由回答文をもとに、学習者の変化と成果に関係する要因を分析した。その結果、「生成AI で何か作ってみたい」という気持ちが有意に高まった。また、おもしろいゲームが作れたと感じた生徒は、プログラミングやゲーム開発経験の豊富さや事前の自信よりも、自分の考えを文章にして伝える言語化スキルの自認が高い傾向が見られた。生成 AI への指示は言葉で行うため、デジタル開発経験よりも言語化スキルが開発成果と関連するという、生成 AI 時代のものづくり教育の特徴が示唆された。なお、本研究はサンプル数が 14 名と小規模なため、予備研究的な示唆に留まる。
  • 福地 健太郎, 山崎 佳太
    p. 131-136
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲーム開発の初期段階では、3C (Character, Camera, Control)と呼ばれる要素の作り込みが重要とされる。しかし初心者向けの教材では、3Cに関わるパラメタの調整を実践的に学ぶ機会は乏しい。そこで我々は、こうしたパラメタ調整をインタラクティブに学習できる、Webブラウザ上で動作する教材「JumpLab 2D」を開発してきた。従来版を少数の学生に試用させたところ、複数のパラメタの横断的な調整を要する課題において、調整可能なパラメタのごく一部のみを試して終えてしまう様子がしばしば観察された。そこで今回、関連する複数のパラメタを段階的に調整させることで、パラメタ間の相互関係に学習者が気づけるようにした演習課題を追加した。本稿ではこれらの設計について述べるとともに、国際会議でのデモンストレーション発表において得られた観察とフィードバックを報告する。
  • 喜多埜 光貴, 伊藤 正佳, 福地 健太郎
    p. 137-141
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    JumpLab3D は、3D プラットフォームゲームを題材に、カメラパラメタの調整とテストプレイを通じてカメラ設計を学ぶゲーム開発初学者向けのインタラクティブ教材である。同教材ではこれまでカメラパラメタを中心に扱っており、3C(Character, Camera, Control)のうち、キャラクタとコントロールに関する調整機能は十分ではなかった。そこで本研究では、操作キャラクタの外見について、3頭身と 7 頭身の2 種類から選択できる機能、およびジャンプ初速度や移動速度など計18 種のコントロールパラメタを調整する機能を実装した。さらに、3C とレベルデザインとの関係を、パラメタ調整を通じて学べるよう、地形の縮尺および障害物の密度と大きさを可変としたステージを追加した。学習者は、各パラメタの変更結果をリアルタイムに確認しながら、複数のパラメタを関連づけて調整できる。本稿では、以上の拡張の設計と実装、および具体的な調整例を報告する。
産業
  • 坂野 聡洋, 小山 友介
    p. 142-147
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究はオンラインゲーム業界における長期的なタイトル管理への移行と開発コストの上昇という課題に取り組み、効果的な運用戦略を調査するものである。Mastering Community Management をフレームワークとして用い、Steam Chartsの月間アクティブユーザー数推移と Steam レビューの関係性からゲームの参入要因、継続要因、離脱要因を分析する。
  • 那須 公洋, 下田 紀之, 廣田 雅春
    p. 148-152
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では,Counter-Strike: Global Offensive におけるラウンドの状態遷移系列から,将来のラウンドの状態を予測する手法を提案する.各フレームのゲーム状況をプレイヤー,爆弾,チーム全体の情報からなるグラフとして表現し,グラフオートエンコーダにより得られた埋め込みベクトルをクラスタリングすることで,ラウンドの状態を定義する.さらに,得られた状態遷移系列と予測ホライゾンを Causal Transformer に入力することで,将来のラウンドの状態を予測する.評価実験の結果,top-1,top-3,および top-5 正解率は,それぞれ 0.236,0.469,および 0.593 であった.また,予測対象時点が観測時点に近いほど高い予測性能を示し,観測する状態遷移系列が長くなるにつれて予測性能が概ね向上した.さらに,特徴量のアブレーション実験により,いくつかの特徴量は除外した際に,予測性能が相対的に大きく低下することが確認された.
  • 廣 慧悟, 福井 昌則
    p. 153-158
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、リメイク作品の発売に関連する注目が、同一フランチャイズの旧作カタログの利用に与える波及効果を、Steam の同時接続プレイヤー数を用いて推定する。『FINAL FANTASY VII REBIRTH』の Steam 版発売(2025 年 1 月23 日)を対象イベントとし、既配信の FINAL FANTASY シリーズ 24 本について、それぞれ非 FF タイトル 25 本から合成統制を構成した。事前期間のギャップに有意なトレンドが認められなかった 11 本では、発売関連期間の平均ギャップは0.180 であり、同時接続プレイヤー数では約19.8%の増加に相当する。ギャップは発売の約3週間前から拡大し、発売後16 週時点でも+0.175 を維持した。波及は原作『FINAL FANTASY VII』に限定されず、物語上の関連を持たない作品にも及んだ。シリーズ固有の値引きについては、対照群が定価であった期間に明確な短期的フロー効果は確認されなかった。ただし、所有者数の増加を介したストック効果は、本データでは分離できない。
ゲームと教育2
  • 非ゲーム専攻学生を対象とした構築主義的ゲームデザイン演習
    ヨーク ジェームズ
    p. 159-162
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿では、非ゲーム専攻の学部生を対象に実施している、ゲームデザインを主軸としたゼミナールの実践について報告する。本ゼミは、構築主義(constructionism)、マルチリテラシーズの教育学(pedagogy of multiliteracies)、および学習経験の質を高める SPACE フレームワークという 3 つの理論的枠組みに基づいて設計されている。学生(n=16)は、既存ゲームの分析、アナログゲームの制作・プレイテスト、そして学習活動としてのゲームのデザインを、実際のプレイヤーを対象に行った。学期の前後で実施した質問紙調査の結果、ゲームリテラシー(知識、批判的リテラシー、デザイン自己効力感)、拡散的好奇心、リサーチ能力、反復的デザイン能力において、いずれも統計的に有意で効果量の大きい向上が確認された。本稿はこれらの量的データと実践内容を報告し、ゲームデザインを通した学びが非専攻学生に対しても効果的な教育手法となりうることを議論する。
  • 川戸 聡也
    p. 163-167
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    中学生向け科学技術体験イベントの新たなテーマとして、生成 AI を活用したレトロゲーム制作講座を設計・実践した。ゲームは中学生に身近な題材で興味関心を引きやすく、生成 AI との対話によりコードを生成・修正することで、未経験者でもプログラミングによるゲーム制作を体験できると考えた。設計では、参加者にコードの直接記述や修正を原則求めず、4 種類のゲームテンプレートや定型プロンプトなどを整備した。実践では、中学生 10 名を対象に半日の講座を開催し、全員が時間内に独自のゲームを完成させた。事後のアンケートでは、楽しさ、満足度、作品への愛着などが高く評価され、条件の具体化や繰り返しの提示といった工夫がみられた。一方、制作されたゲームでは、当初の条件からの逸脱やコード規模の増大が確認された。今後は授業へ展開し、生成されたコードの読解や修正を取り入れたプログラミング教育や生成 AI との対話過程の分析につなげる。
  • Git教育ゲームの試作と評価
    大東 知生, 近藤 将成, 小形 真平, 岡野 浩三
    p. 168-173
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    現代のソフトウェア開発においてGitの習得は不可欠であるが,初学者にはコマンドの動作やコミット,ブランチといった Git の内部状態がコマンドラインでは直感的に理解しにくいという問題がある.本研究では,Git 教育を RPG をメタファーとして取り入れた学習ゲーム「Git RPG」を試作・評価した.提案ゲームでは主人公の分身(ブランチ)や合体(マージ)といった RPG メタファーを通して,主要な 6 つのコマンドと概念を直感的に学びやすくしている.提案ゲームの有効性を検証するため,情報系学生 10 名を対象に書籍学習との対照実験および評価を行った結果を報告する.
XR・メタバース
  • リ トウ, 河野 義広
    p. 174-179
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年,伝統工芸分野では後継者不足や技術継承の難しさが課題となっている。本研究では,陶芸を対象として,メタバース環境における制作・学習を支援するシステムを開発した。ユーザが VR 空間内で陶芸作品を制作できる機能に加え,生成 AI を用いて制作作品を評価し,フィードバックを提示する機能を実装した。作品画像を AI に送信し,画像解析に基づく評価結果を取得することで,制作後のフィードバックを提供する。本研究では,陶芸職人による直接的な遠隔指導や,AI 評価の客観性および学習効果の向上を実証するものではない。本システムは,陶芸の制作体験・学習を支援する環境として構築し,伝統工芸の技術継承への活用可能性を検討するものである。
  • ——VRChatにおけるアバターファッションのエスノグラフィー——
    孔 維一
    p. 180-185
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    VRChat では、衣服のみならず身体形態そのものを編集する「アバターファッション」が日常化している。本発表では、筆者が複数のアバターを使用してきた経験にもとづくエスノグラフィーに、インタビューを補助的に組み合わせる。そのうえで、表象化された身体が、ワールド(仮想空間)の環境との相互作用と、他者からのまなざしという二つの回路を通じて、「自分の身体」として経験されていく過程を考察する。
  • 井保 和也, 立場 貴文
    p. 186-189
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿は、ゲーム配信において、視聴者が配信者にゲームプレイ上の方策を一方的に指示する「指示コメ」の不正さを倫理学的に検討する。まず、指示コメを、配信者がゲーム配信を行っていること、視聴者がライブチャットを通じて特定の方策を指示すること、配信者がその種の指示を許可していないこと、という三つの条件によって定義し、ネタバレ、鳩行為、誹謗中傷などとの違いを明確化する。次に、不快さ、ネタバレ、誤った指示は、指示コメに伴いうるものの、その固有の不正さを説明するものではないと論じる。最後に、その不正さの源泉として、配信者の自律の侵害、配信者のモノ化、そして、ゲームプレイ固有の体験の阻害、という三つを提示する。以上の分析は、配信プラットフォーム上における適切な振る舞いや、配信者が設定するガイドラインを考える上でも一定の示唆を与えるだろう。
中国・アジア
  • ―『原神』のセリフ比較と印象評価を通して―
    CHUNG MINJEE
    p. 190-195
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、ゲームローカライズにおける語調の違いがキャラクター受容にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とする。中国発ゲーム『原神』の日本語版および韓国語版を対象に、キャラクター単独セリフの日韓比較分析に加え、対話シーン 2 組の比較分析を行う。分析では、敬語、語尾、呼称、感情表現を中心に両言語の翻訳表現を比較し、これらの表現がキャラクターの親しみやすさや威厳、心理的距離といった印象にどのような影響を与えるのかを考察する。さらに、単独セリフ分析で扱ったキャラクターについて、日本語話者・韓国語話者を対象とした印象評価のパイロット調査を行う。本稿では、セリフ比較分析の結果と同調査の実施状況を報告し、2026 年 10 月に予定する本調査の計画を示す。
  • 李 佳欣, 小山 友介
    p. 196-198
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、『Black Myth: Wukong』の Steam レビューを分析し、中国語と日本語のプレイヤーがゲームのどの側面に関心を持ち、中国文化との関連性をどう評価しているかを比較した。戦闘、視聴覚、物語、ローカライズ、文化、社会・公共言説の 6 つの次元でコードブックを構築し、LLM を用いて中国語 500 件、日本語368 件、計868 件のレビューを自動注釈した。手動注釈との比較では、各次元の重み付き Cohen の κ 値は 0.577 から 0.868 の範囲であった。分析の結果、日本語レビューでは戦闘とローカライズへの言及が目立ち、中国語レビューでは社会・公共言説への言及が多かった。文化への言及率に有意な差はなかった。文化に言及した 71 件のうち、文化輸出や国家代表性として直接的に肯定する DOM は 7 件のみであった。これらの結果は、ゲーム内の中国文化への関心と、「文化輸出」としての評価は区別して考察すべきであることを示唆する。
  • 許 僕塵
    p. 199-204
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    中国の「830 新規」およびその前後の 2 度のゲーム版号の発行中止は、ゲーム業界に多大な衝撃を与えた。本稿は依存的消費に関連する経済理論を用いて、中国のゲーム会社の財務報告書、政府部門の調査報告、およびゲームプラットフォームの公開データを利用し、2016年以降未成年者のゲーム依存症対策が強化された背景に、中国ゲーム産業の変容、大手ゲーム会社の対応、そしてこれらの動きが国産ゲームコンテンツに与えた影響を説明する。
  • データベース・ファンタジーの構造的対抗概念として
    エスカンド ジェシ
    p. 205-210
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿は、『原神』『鳴潮』等の中国製フラッグシップゲームに見られる第二世界構築の様式を「コスモポリタン・ファンタジー」として概念化する予備的考察である。日本のデータベース・ファンタジーが異文化的記号を出自の忘却とともに無標の欧州世界へ吸収するのに対し、この様式は文化圏の判読可能な陳列と、中華を軸とする宇宙論的秩序の標示を特徴とする。本稿はまず、(1)判読可能な文化的カルク、(2)中華を軸とする宇宙論的秩序の標示、(3)段階的な表象粒度、(4)構成的な旅人型主人公、(5)西洋古典語彙化、の五つの特徴を記述する。次いで、三言語間のローカライズ非対称性、『時之歌 Project』、『モンスターハンターライズ』『幻想水滸伝』の事例を通じて、これらが一様な条件ではなく一部は下位類型ないし特定事例に固有であることを示し、(1)(2)を核とする作業的定義に至る。あわせてこの様式が構造的様式であり、データベース・ファンタジーの構造的対抗概念であることを示唆し、両者を再記号過程の二つの経済として対比する。
ゲームアーカイブ
  • 小出 治都子
    p. 211-213
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本発表は、ZEN 大学コンテンツ産業史アーカイブ研究センター(HARC)の「オーラル・ヒストリーコレクション」の特徴を、先行する一橋大学イノベーション研究センター・立命館大学ゲーム研究センターの事業との比較を通じて明らかにすることを目的とする。インタビュアーの発言のみを対象とした計量テキスト分析(共起ネットワーク分析)を実施した結果、メディア専門家が主導するHARCは特定テーマを深掘りする「階層型質問構造」を示したのに対し、アカデミア主導の先行事業は時代背景と経歴を繋ぐ「時系列クロニクル型質問構造」を示した。さらに、公開メディア(テキスト/映像)の観点からも比較を行い、ライブ感や身体性を残す映像と確実性・検索性に優れるテキストという双方の特性を整理することで、コンテンツ産業史におけるオーラルヒストリーの多角的な可能性を提示する。
  • ―1980–2020年代の定量分析―
    毛利 仁美, 尾鼻 崇
    p. 214-219
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、ゲーム説明書研究の基礎データ整備を目的に、説明書の「総ページ面積」の量的変遷を探索的に分析した。その結果、紙製の説明書は2000年代半ばまで約20年間拡大を続け、2005年前後をピークに2010年代前半から急速に縮小したことが明らかとなった。また、説明書の電子化は、2014 年以降のゲームハードの世代交代に伴い急速に進んだ可能性が示された。さらに、紙の説明書の総ページ面積は、ゲームプレイジャンルごとの差異が顕著に見られ、説明書の大型化は説明書が担う役割の多様化と関係していた可能性が示唆された。最終的に、説明書規模の変化要因として、ゲーム機能や操作体系の複雑化、世界観補完、機能移転の3つの仮説が提示された。
  • 尾鼻 崇, 小出 治都子
    p. 220-225
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本稿では、マンガのネームや原画、アニメーションの絵コンテ・レイアウト・原画などを、後続工程の判断や作業を媒介する中間生成物として整理し、その共通点と差異を比較する。これを踏まえ、デジタルゲームの制作過程で生じる多様な文書、データ、素材、実行物、記録のうち、何を「中間生成物」とみなすべきか、その範囲と判断基準を検討する。検討の結果、資料の種類や完成度ではなく、後続する作業や判断を媒介する機能に着目する必要があることに加え、デジタルゲームでは実行可能なビルド等を実際に実行・操作し、その挙動や性能を評価することや、技術環境との関係も重要となることが示された。さらに、完成作品や公開後の展開との関係を検討し、「完成」と「中間」が必ずしも排他的ではない可能性を示すとともに、デジタルゲームにおける中間生成物の保存の意義を論じた。
ゲームスタディーズ
  • 上野 悠
    p. 226-230
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    元プロフィギュアスケート選手で現在スポーツ研究者である町田樹は、現役時代の経験を踏まえて、スポーツ選手が自分なりに技術=コツを習得する過程を「私的な知」という言葉で表現している。選手たちは、練習の中で自らの身体運動感覚を頼りに「私的な知」を構築していき、それらは、「それをつかんだもの自身が持つ固有の身体と感覚に根差して」いるのである(町田 2024)。 こうした点は、一部のゲームプレイヤーたちの実存を考える上で極めて重要であるように思える。彼らは、ゲームという極めて強く目標志向的な活動に従事する中で、例えば、芸術創作などの創造的活動や、ダンスや食事といった他の美的行為とは異なる形で、活動の中で自分自身と向き合っているのである。こうした特定のゲームプレイにおける重要な自己実現的側面を、C・ティ・グエンによる行為者性を用いたゲームの記述を流用し、「個別行為者性のデザイン過程」としてとらえることでより深く理解することができる。
  • Roguelite Temporality and Player Agency in 『Sultan’s Game』
    Ningxin LIAN
    p. 231-234
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    Taking the Chinese indie roguelite game 『Sultan’s Game』 (released in 2025) as a case study, this research discusses how video games create an artificial sense of temporal pressure and reinforce players’ strategic mindset through the analysis of its game mechanics and the narrative content. Under the constraints of game time, players are compelled to make critical decisions to progress. Building upon this phenomenon, this study will further explore the role video games play in players’ understanding of temporality. Specifically, this study questions whether the roguelite mechanics of 『Sultan’s Game』 , including meta-progression and permadeath, offer players repetitive and cyclical training that grants them agency to disrupt linear temporal structure in video games, or whether players’ seemingly independent actions are still constrained within the original narrative tracks of 『Sultan’s Game』. The game mechanics and narration of 『Sultan’s Game』 will be the primary focus of this study and close playing will serve as a crucial methodology for analysis. This research contributes to Game Studies by introducing a new perspective on the relationship between roguelite games and temporality, especially within a non-Western indie game context.
  • ―一般的多様性志向とゲーム内トレードオフ判断に着目して―
    黒田 昌克, 福井 昌則
    p. 235-238
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は,若年層における直近3か月のデジタルゲームプレイと,一般的多様性志向およびゲーム内DEI判断との関連を検討した.日本国内に居住する19~22歳の879名を対象にオンライン質問紙調査を実施し,直近3か月のゲームプレイ状況,M-GUDS-S 邦訳版,ゲーム性・作品性と多様性(D),公平性(E),包摂性(I)への配慮とのトレードオフ判断を測定した.ゲームプレイ群は非プレイ群より M-GUDS-S 総得点がわずかに高かったが,効果量は小さかった.Dおよび E の判断に明確な群間差はみられなかった.一方,I ではゲームプレイ群の得点が非プレイ群よりわずかに低く,包摂性への配慮を優先して創作表現を抑える側の回答を選びにくかった.横断調査であるため因果関係は判断できないが,ゲームプレイの有無との関連パターンは,一般的多様性志向とゲーム文脈に固有の DEI 関連トレードオフ判断とで異なることが示唆された.
  • イコノグラフィ的図象解釈を手掛かりとしたアプローチから
    上村 麻里恵
    p. 239-244
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    歴史人物をモチーフとしたゲームのキャラクターは、史実に基づく表象を引き継ぎつつ、作品上のデザインやイメージを新たに付与することで、独自の魅力を獲得する。本研究はアーケードゲーム『英傑大戦』のキャラクターをイコノグラフィ的図像解釈の観点から分析し、ゲーム・スタディーズと美術史学との架橋を試みる。特に、本作品における時代・勢力を区分するための「共通意匠」という表象ルールに注目し、分析の基礎を提示する。(200文字)
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