抄録
本研究は、『Black Myth: Wukong』の Steam レビューを分析し、中国語と日本語のプレイヤーがゲームのどの側面に関心を持ち、中国文化との関連性をどう評価しているかを比較した。戦闘、視聴覚、物語、ローカライズ、文化、社会・公共言説の 6 つの次元でコードブックを構築し、LLM を用いて中国語 500 件、日本語368 件、計868 件のレビューを自動注釈した。手動注釈との比較では、各次元の重み付き Cohen の κ 値は 0.577 から 0.868 の範囲であった。分析の結果、日本語レビューでは戦闘とローカライズへの言及が目立ち、中国語レビューでは社会・公共言説への言及が多かった。文化への言及率に有意な差はなかった。文化に言及した 71 件のうち、文化輸出や国家代表性として直接的に肯定する DOM は 7 件のみであった。これらの結果は、ゲーム内の中国文化への関心と、「文化輸出」としての評価は区別して考察すべきであることを示唆する。