道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
119番通報で現着したが、“DNAR”と告げられた症例
~当地域の現状を考える~
青野 允伊藤 丈雄
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2018 年 1 巻 1 号 p. 7-10

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抄録
近年我が国の出生率は減少の一途をたどる一方高齢者が増加して、少子・超高齢社会となった。このような状況下で119番通報を受けた救急隊員が現場に到着すると、傷病者は心肺停止状態(CPA)にあるにもかかわらず、心肺蘇生法(CPR)を開始しようとすると拒否(DNAR)される場合が増加しつつあり、問題視されている。そこで今回、当道南地区の実態を調査した。その結果、119番通報数の約1.4%の事例で心肺停止状態と認められ、かつその約1.0%前後で心肺法実施を家族などに拒否された。その対策としては、①小学生時代から、「人の一生(生死)」について理解し、②医療従事者には死の診断は医師・歯科医師のみに課された専権事項であることを認識させる必要があると考えられた。
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© 2018 道南医学会
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