道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
子宮筋腫、子宮腺筋症により血色素1.3 g/dLの高度貧血を示した1例
佐藤 賢一郎福島 安義
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2018 年 1 巻 1 号 p. 63-70

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抄録
今回、呼吸困難を主訴に救急搬送されたところ、子宮筋腫、子宮腺筋症による過多・過長月経に起因すると思われる血色素1.3g/dLの高度貧血を認めた1例を経験した。このような高度貧血例では、心不全や腎機能障害、肝機能障害などの併存疾患を有していることも多く、治療にあたっては他科との連携が必要である。子宮筋腫、子宮腺筋症による過多・過長月経は主要症状の一つであり、ほとんどの場合は外来での貧血治療により管理が可能である。しかし、稀ではあるが本例のように生命に関わる可能性もあり得るため、筋腫分娩、粘膜下筋腫、1,000gを超えると推定される大型の子宮筋腫、子宮腺筋症の場合には、高度貧血についても注意が必要で、患者への説明と定期的な経過観察が重要であると思われた。
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© 2018 道南医学会
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