道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
深層学習再構成法(Deep Learning Reconstruction:DLR)を導入した低線量胸部CTの有用性
‐新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を想定した検討‐
小林 聖子大須田 恒一竹内 岳一戸 康行秋葉 理沙谷藤 貴行七尾 結輝石川 弘人石戸 忠雄角 俊行村上 健司
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2022 年 5 巻 1 号 p. 33-36

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抄録
[背景]CT 検査はCOVID-19ウイルス性肺炎のスクリーニングだけでなく、重症度判定や合併症の評価にも重要な役割を果たしている。一方、長期経過観察や若年者の撮影においては放射線被ばくの影響が懸念される。画像再構成技術の進歩により被ばく線量低減と画質向上の両立が進められてきたが、特に近年は人工知能による深層学習を用いた画像再構成法(Deep Learning Reconstruction:DLR)の有用性が注目を集めている。低線量胸部CT 検査にてCOVID-19ウイルス性肺炎の画像所見を検出することができれば、早期の治療開始に貢献できると考える。 [目的]DLR 法(低線量撮影・DLR)と従来法(通常線量撮影・逐次近似応用再構成)を比較し、画質と被ばく線量の観点から有用性と課題を検討する。 [方法]DLR 法と従来法について①解像特性②ノイズ特性③信号ノイズ比を比較した。 [結果]DLR 法は低線量領域においても解像特性を損なうことなくノイズ低減を達成していた。撮影線量を60%低減した際のDLR 法の信号ノイズ比は従来法と同等の値を示した。 [考察]撮影線量と画像ノイズ量はトレードオフであり、低線量撮影時は逐次近似応用再構成法等の画像ノイズ低減処理を要する。逐次近似応用再構成法は処理強度に依存して画質変化を生じる傾向にあるが、DLR 法ではその傾向は認めない。視覚評価と相関の強い信号ノイズ比の解析結果からも診療医に与える違和感は小さいと想定する。以上より、DLR 法は物理評価・視覚評価ともに従来法に対して優れていると考える。ただし、本検討は肺野条件に限定しており、縦隔条件は別途検証が必要である。また、被験者の体格を考慮した線量設定(AEC)も必要だと考えられた。[結語]DLR を併用した低線量胸部CT 検査は被ばく線量低減と診断能を両立し、COVID-19ウイルス感染症の診療に有用であると考える。
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© 2022 道南医学会
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