道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
内視鏡問診票を見直して
松本 健太郎後藤 絵理佐藤 千代子阿部 千里福原 直美久保 公利
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キーワード: 内視鏡, 問診票, 看護師
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2023 年 6 巻 1 号 p. 54-57

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抄録

【背景】当院では、内視鏡検査前に患者に問診票を記載してもらい、看護師が確認している。しかし、問診票を正しく書けていないことが多く、看護師がほとんどの項目を聴取している。その原因の一つとして現行の問診票に問題があるのではないかと考え、問診票の見直しを行い、比較・検討した。【目的】効率的で正確に記入できる問診票を作成すること。【方法】自力で記入することができる外来患者を対象に、R3年8月2日~8月31日は現行の問診票(以下問診票A)、R3年9月1日~9月30日は新しい問診票(以下問診票B)を記入してもらい、各項目の正確に記入できていた人数を比較した。問診票Aは10項目、問診票Bは7項目とした。【結果】患者が正確に記入できていた割合は、問診票Aでは、アレルギーが84.8%、ピロリ菌が38.7%、内服薬が58.2%、抗血栓薬が78.1%、PPIが64.1%、降圧薬が70.6%、糖尿病薬が84.8%、既往歴が51.6%、手術歴が58.7%、その他が83.4%、平均が67.3%(問診Bと共通する7項目の平均は65.6%)であった。問診票Bでは、アレルギーが73.7%、ピロリ菌が55.5%、抗血栓薬が79.2%、PPIが80%、既往歴が54.9%、手術歴が54.1%、その他が73.7%、平均が67.3%であった。【考察】問診票Aと問診票Bの平均はいずれも67.3%であったが、共通7項目のみの平均は65.6%で1.7%上がった。さらに、共通7項目のうち、4項目で記入できている割合が上がったため、内容をほとんどチェック式にし、項目を減らしたことでわかりやすくなったと考える。しかし、字体や配置などが見にくかったため、今後レイアウトを改善することでさらに正しく記入できるようになると考えられる。【結語】問診票Bは、内容はわかりやすくなったが、レイアウトが見にくかったため、改善・実用化していく。

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