Dental Materials Journal
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チタン鋳造床作製技法を評価するための実験モデル
Danny LOWHelen BESTToshiko MORI
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1994 年 13 巻 1 号 p. 103-109,127

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抄録

チタン鋳造床作製における各種の鋳造方法を評価し,最適の鋳造法を確立するために,コバルト・クロム鋳造床の作製に使用されている既製のワックスパターンを用いる実験モデルを検討した.採用したパターンは厚さ0.9mmのもので,これをレジン保持孔が総計100となるよう36×29mmの長方形に切り出した.鋳造が完全であった保持孔の数により成功率を算出することとし,三個の鋳造を純チタンおよびチタン合金(90Ti-6Al-4V)についておこなったところ,平均成功率はそれぞれ100%および54%であった.鋳造体の内部欠陥を検討するにあたってのX線像の最適黒化度はおよそ2.0と判断され,純チタンの場合,照射時間0.5秒が適当であった.純チタン鋳造体の平均重量は2.0gで,11の臨床例の中で最も軽い鋳造体の74%に相当した.本実験で使用したパターンあるいはこれに類似するパターンの作製は容易であり,成功率100%で内部欠陥のない鋳造体を得る条件をみいだすことが当面の課題と考えられる.

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