Dental Materials Journal
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象牙質接着性コンポジットレジン修復における重合収縮応力と窩壁適合性
宇野 滋下河辺 宏功
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1994 年 13 巻 1 号 p. 19-24,124

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抄録
コンポジットレジンの重合収縮応力が象牙質に対する接着力ならびに窩壁適合性に及ぼす影響について,3種市販象牙質接着修復システムを用い検討した.モールドとしてテフロンモールド(TF)あるいは内面を粗造にしたカッパーリング(CP)の2種を用い接着力を測定した.また,ヒト臼歯における象牙質規格窩洞において窩壁適合性を評価した.3種システム共にCPによる接着力(BSCP)はTFによる接着力(BSTF)に比べ小さく,ANOVAにより象牙質に対する接着力はシステムならびに使用するモールドの影響を受けることが示された.重合収縮応力の影響を検討するためにTFとCPによる平均接着力の差(接着力減少率,RD)を(BSTF-BSCP)/BSTF×100(%)の式により求めたところ,他種に比べ良好な窩壁適合性を示したシステムにおいてRDが最小であった.したがって,コンポジットレジンの重合収縮応力は象牙質接着修復における窩壁適合性に大きな影響を与えることが判明した.
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