Dental Materials Journal
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裏層用光硬化型グラスアイオノマーの辺縁部の適合性の改善
吸水膨張と接着強さの影響
入江 正郎中井 宏之
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1996 年 15 巻 2 号 p. 193-200,253

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抄録
修復操作の一連の過程における,光硬化型グラスアイオノマーで裏層した場合の窩洞辺縁部の適合性の改善を期待して,水中浸漬1週間後までの象牙質窩洞およびテフロン製窩洞辺縁部の間隙を測定,同時に対象牙質せん断接着強さも測定した.その結果,1日間水中浸漬後に研磨すれば光照射直後研磨と比較して,象牙質窩洞およびテフロン製窩洞辺縁部の間隙は,有意に減少した.また,せん断接着強さも,1日間水中浸漬後の方が光照射直後と比較して有意に向上した.この間,象牙質窩洞辺縁部の間隙とテフロン製窩洞辺縁部の間隙の両者は有意な関係にあったことから,象牙質窩洞辺縁部の適合性の改善には吸水膨張が有意に影響していると推察した.また,各測定時の象牙質窩洞辺縁部の間隙とテフロン製窩洞辺縁部の間隙の差は,水中浸漬期間が増加するに伴い減少し,せん断接着強さが向上した結果から,経時的経過に伴う硬化反応の進行による接着強さの向上も適合性改善に影響していると考えられた.
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