Dental Materials Journal
Online ISSN : 1881-1361
Print ISSN : 0287-4547
ISSN-L : 0287-4547
超微粒子フィラー配合コンポジットレジンの吸水量,溶解量並びに着色に及ぼす研磨の影響
新谷 英章佐藤 尚毅行広 映佐藤 淳子山根 いづみ香西 淑子安道 崇子甲斐 真貴子林原 久盛井上 時雄
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 4 巻 1 号 p. 54-61,121

詳細
抄録
超微粒子フィラー配合composite resin 3種類と従来型composite resin 1種類を用い,各レジンの圧接面,white-point研磨面及び仕上げ研磨面を作製し,各研磨面が吸水量,溶解量並びに着色に及ぼす影響を60日間にわたって検討した。
吸水量と溶解量は同じ傾向を示し,圧接面の吸水量が大きく,white-point研磨面,仕上げ研磨面の順に小さくなった。吸水量は水中浸漬初期では,研磨面と圧接面間に有意差(p<0.05)が認められたが,時間の経過とともに差は減少した。MFRのSuperlux, Silarの吸水量が大きく,疎水性レジンのMicrorestと従来型のP-10が小さかった。
着色液として,タバコ煙液,コーヒー液,紅茶液,しょう油液の4種を用い,各研磨面の着色液浸漬前後の色差値ΔE (Adams)を求めた。
ΔE値はwhite-point研磨面のそれが最も高く,MFR群の仕上げ研磨面は,圧接面と同程度もしくはそれより低くなる傾向を示した。
使用したレジンのなかでは,従来型のP-10の染色傾向が最も高かったが,MFR群ではMicrorest, SilarのΔE値が低く,SuperluxのΔE値が高かった。
著者関連情報
© 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top