抄録
1) 14C-TPを妊娠12日,18日,19日目のラットに単回経口投与(0.5mg/kg)し,胎盤通過性を検討した.妊娠18日目の投与後4hrから48hrまでの胎仔中放射能濃度は,母体の全血液中濃度の1.7~1.8倍(5.81ng/ml~66.5ng/ml)で推移し,TPおよび代謝物の胎盤通過性は高かった.
対照薬haloperidolでは,より高い分布傾向が認められた.
2) 14C-TP経口投与後の授乳ラット(分娩10日目)の乳汁中放射能濃度は,全血液中放射能濃度の6.6倍~11.5倍(48.4ng/ml~178.3ng/ml)高く,TPおよび代謝物は血液から乳汁中にすみやかに移行することが判明した.
一方,3H-HP投与後の乳汁中放射能濃度は,全血液中放射能濃度の1.0~3.7倍(5.7ng/ml~53.2ng/ml)であり,TP投与時に比べて低かった.