薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
ラットにおけるArgipidine (MD-805)の体内動態に関する研究(II):Argipidine単回および連日静脈内投与時の血中濃度推移,分布,代謝および排泄
飯田 成宇小松 貞子岩本 正人藤村 義幸中井 弘司佐藤 朋以林 公子井口 富夫
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1986 年 1 巻 4 号 p. 377-395

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抄録

雌雄ラットに14C-argipidineを単回または連日静脈内投与したときの,argipidineの血漿中濃度推移,分布,代謝,排泄および蓄積性について検討した.
1.単回投与時の血漿中放射能濃度および未変化argipidine濃度は,約4min (T1/2α)および80min (T1/2β),および約3min (T1/2α)および20min (T1/2β)の半減期でそれぞれ速やかに消失した.
2.肝,腎および消化管中に高い放射能分布が認められた.雄性ラットに14C-argipidineを21日間連日投与したとき,組織および臓器への蓄積は認められなかった.
3.尿,糞中主要代謝物はargipidineのtetrahydroquinoline環が芳香化されたM-1であった.
4.14C-Argipidineを単回または連日投与した後24hrまでの尿および糞中に,投与放射能のほぼ90%が排泄された.胆汁中への放射能の累積排泄率は,投与後48hrまでに約90%に達した.

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© 日本薬物動態学会
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