薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
FKO37の体内動態(第3報):ラットにおける胎児移行および乳汁移行
戸塚 善三郎丹羽 俊朗坂本 博徳間 洋二秦 武久黒沢 敏二宮 真一塙 真也
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1995 年 10 巻 1 号 p. 142-153

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抄録
ラットに14C-FK037を20mg/kg静脈内投与し,胎児移行および乳汁移行について検討した.
1.妊娠13日目のラットに投与した時,投与5分後では胎児中放射能濃度は母体血漿中射能濃度の1%と低く投与24時間後には検出限界以下となった.妊娠18日目のラットに投与した時,投与5分後では胎児中放射能濃度は母体血漿中放射能濃度の1%未満と低く投与後24時間では最高濃度の19%に減少した.妊娠13および18日目のラットに投与した時の全身オートラジオグラムでは胎児に放射能は認められなかった,以上のことかFK037の胎児への移行性は少ないと考えられた.
2.授乳期のラットに投与した時,乳汁中放射能濃度は投与1時間後に最高濃度0.93μg eq./mlを示したのち,8時間まで半減期5.6時間で消失し,24時間後では検出限界以下となった.乳汁中放射能濃度の最高濃度(投与量補正値)は他剤に比べて低く,FK037の乳汁中への移行性は少ないと考えられた.
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