薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
新規血栓溶解薬YM866の薬物動態に関する研究[III]:ラットにおける胎児内移行および乳汁中移行
及川 桂史神村 秀隆渡辺 隆樋口 三朗黒澤 敏神 義容堤 修一郎林 一志竹越 敏夫
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1996 年 11 巻 1 号 p. 30-37

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抄録
妊娠ラットおよび哺育中のラットに125I-YM866を単回静脈内投与し,胎児および乳汁への移行性について検討した.
1.妊娠14日目のラットにおける胎児の放射能は非常に低く,母獣血液の4%以下であった.分布した放射能のほとんどはTCA可溶性であったことから,分布した放射能の大部分は低分子分解物あるいは遊離の125Iと考えられた.
2.妊娠19日目のラットにおける全身オートラジオグラムでは,母獣血液に高い放射能が認められたが,胎児への放射能の移行は低かった.
3.分娩後14日目の哺育中ラット投与したとき,乳汁中放射能濃度は母獣血漿中濃度の約1.5倍であった.乳児の胃内乳塊中濃度は乳汁中濃度とほぼ等しく,一方,乳児の血漿中および組織内濃度は乳塊中濃度の1/8以下であった.
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© 日本薬物動態学会
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