抄録
近年、リチウムイオン電池は燃料電池自動車等の補助電源として期待されている。自動車用途としては15年以上の長寿命が要求されているため、電池特性を改良し更なる長寿命を実現するためには、特性劣化因子を特定し劣化のメカニズムを解明することが極めて重要となる。そのため、種々の非破壊状態での劣化診断法が提案されてきている。一方、電池の構成部材のそれぞれの内部劣化機構、特に電極材料の劣化機構についてはこれまで必ずしも明らかにされてきていない。本研究では、主に連続パルスサイクル試験後の電極材料を評価することで、電極材料の変化と電池性能の低下との関連性について検討した結果について報告する。