薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
超短時間作用型β1遮断剤ONO-1101の体内動態(第2報):ラットに反復静脈内投与後の血中動態,分布,排泄および薬物代謝酵素への影響
恒川 健今若 治夫夏井 潔藤本 博昭石堂 雅恒柴川 公雄平工 誠治
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1997 年 12 巻 1 号 p. 22-30

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抄録

ONO-1101を反復静脈内投与時の血中動態,分布,糞尿排泄および肝薬物代謝酵素に対する影響について検討した.
1.雌雄ラットに14C-ONO-1101を1mg/kgの用量で1日1回7日間反復投与した時,各回投与後24時間の血漿中放射能濃度は検出限界以下,あるいは検出限界付近のきわめて低い濃度であり,最終回投与後の血漿中濃度推移は雌雄ラットとも単回投与時とほぼ同じであった.
2.雄性ラットに14C-ONO-1101を1mg/kgの用量で1日1回7日間反復投与した時の最終回投与後の各組織中放射能濃度は,投与初期(5,15分)には腎臓,肝臓,肺,気管において高濃度であり,皮膚,各組織・臓器採取後の死骸に分布量が多かったが,それ以降は経時的に減少した.代謝,排泄臓器である肝臓,腎臓では単回投与時と比べてわずかに高い値を示したが,特定の組織・臓器への放射能の残留は認められなかった.
3.雌雄ラットにONO-1101を1mg/kgの用量で1日1回7日間反復投与後の尿および糞中への累積排泄率は4日目以降からほぼ一定の値となり,最終回投与後96時間まででそれぞれ雄性で89.7,14.9%,雌性で86.5,17,0%であった.
4.雄性ラットにONO-1101を1,10,50mg/kgの用量で1日1回7日間反復投与した時の肝薬物代謝酵素に対する影響は認められなかった.

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© 日本薬物動態学会
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