薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
塩酸ロプリノンの体内動態(第2報): ラットにおける単回静脈内投与時の胎児移行および乳汁移行
金子 和裕〓野 恭一中島 きよ美杠 輝昭泉二 奈緒美河合 直士長谷川 伸一重松 昭世
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1994 年 9 巻 2 号 p. 163-170

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抄録

14C-塩酸ロプリノンを妊娠ラットおよび授乳ラットに単回静脈内投与して,胎児移行性および乳汁移行性について以下の結果を得た.
1)妊娠時期にかかわらず胎児移行性は低かったが,胎児からの消失はやや遅かった.母体の組織分布は雄性ラットと同様であった.
2)妊娠19日目の胎児中放射能濃度は腎臓,肝臓および消化管でやや高く,母体と同様の分布を示した.
3)胎児中放射能は妊娠時期にかかわらずほとんどが未変化体であった.
4)乳汁への移行はやや緩徐であり,m/pは投与後4時間で97.1と最も高くなった.これは母体の血漿中濃度が速やかに低下するためであった.
5)乳汁中放射能はほとんどが未変化体であった.

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