2012 年 22 巻 p. 35-42
本研究では, A大学B学部における推薦入試の志願者の動向や, 推薦入試導入後の学生の学力などについて検討した。その結果, 志願者数は単調減少傾向にあり, 推薦入試を周知・浸透させるとともに, 多くの生徒にとって魅力的な大学・学部となるような改善が必要であること, ここ数年間の教養科目の成績はほぼ横ばいで, 推薦入試導入後に入学生の学力が低下しているとは考えにくいこと, 追跡調査においても, 推薦入学生と一般入学生の成績分布の位置はほぼ同等であり, 推薦入学生の学力が低いとは言えないこと, 一般入学生の中には学習意欲の低い学生がいるが, 推薦入学生の中にそのような学生はいないことなどが見いだされた。