2017 年 27 巻 p. 79-84
本研究は,大学入試における募集単位の大括り化の方向性について,地方国立大学に導入が推進された場合の高校現場に与える影響を,地方に所在するA県の高校教員,大学教員,およびB大学新入生に対する調査結果から考察した。調査の結果,これまでの括り入試の議論に際して,大学教員の中には入学時点の学力低下と大学4年間での質保証との関連を意識してきた経緯があったことがわかった。また,今後,一部の受験生が一般入試から推薦入試やAO入試にシフトしていく可能性があることが示唆された。