2017 年 27 巻 p. 71-78
高大接続改革において,CBTの導入に向けての議論がなされているが,CBTにおける特性を生かした教科・科目ベースの問題がどのようであるべきか,またそれによってどのようなことが評価できるのかについての考察的実証的研究はほとんどなされていない。そこで本稿では,映像や動的オブジェクトを埋め込めるというデジタル技術の特性に着目し,PBTでは評価が難しい能力の測定を行うことを目標に,国語,数学,理科(化学)について,映像や動的オブジェクトを含む問題を試作した。さらに,それらをタブレット端末使用型の電子問題冊子にし,高校生を対象にした調査を行った。その結果,問題開発において検討を要する課題が明らかになってきた。