2018 年 28 巻 p. 209-214
大学の入試広報において,オープンキャンパスは有効な志願者の獲得手段という認識は広く浸透している。本研究ではオープンキャンパスの参加者の直前の志望順位と直後の志望順位を把握することで,その効果測定を試みた。検証の結果,第一志望の人数が増加するなどの変化は見受けられなかった。ただしクロス集計の結果からは,最大3割の参加者が志望順位を上げている一方で,その分順位を下げる参加者もいるなど,志望順位の入れ替わりが起きていた。オープンキャンパスは単純に志願者を増やす装置ではない。大学側が参加者に見極められることで,より志望度の高い参加者が残るシステムである。