2020 年 30 巻 p. 105-111
都市部中規模私立大学教育学部の保育者養成コースにおける学生の特性の入試区分による違いを学業成績,進路選択の観点から検証した。その結果,所属学生全体では高等学校評定平均値と大学でのGPAとには中程度の相関があるが,指定校制推薦入試による入学生のみ相関の程度が低く,推薦入学生は一般入学生より評定平均値が高いもののGPAでは差が見られなかった。職業選択に関しては,国公立大学受験者の受け皿となるような入試による入学生は私立保育園・幼稚園への就職を避ける傾向があることが見出された。また,保育職採用試験はGPAで評価される特性とは異なる点を重視している可能性が示唆された。