2021 年 31 巻 p. 134-139
本研究では,東北大学における一般入試前期日程志願者の学力水準の経年変化について,大学入試センター試験の国語,数学Ⅰ・A,数学Ⅱ・B,英語の3年間の成績を使用して分析した。その結果,前期日程志願者のうち,AO入試Ⅲ期の合格者の成績は一貫してそれ以外の者よりも高く,AO入試が設計コンセプト通りに機能していた。AO入試Ⅲ期合格者を除いた前期日程志願者の3年間の成績は学部等にかかわらず安定していた。また,3年間の成績を指標にして志願者の出身都道府県を分類すると先行研究と同様の類型となった。そのうち,東北地方の3つの県からなる群の学力水準が他の群に比べて低く,地域特性の詳細な分析が今後の課題となった。