英語教育で4技能重視の流れが定着する一方,伝統的な英文和訳・和文英訳の意義が問われている。本研究では東北大学個別学力検査「英語」について設問形式別に分析し,大学入試の観点から英文和訳・和文英訳の役割を探った。分析の結果,英文和訳は問題によって識別力のばらつきが大きかった。和文英訳・自由英作文等のライティングの問題は識別力のばらつきが小さく、安定した得点全体への寄与が見られた。記述式の問題に比べて採点が比較的容易な多肢選択式の問題は識別力の高い問題の出題が比較的容易であること,リーディングは問題によって識別力のばらつきが大きいことから,受験生の学力を多面的に測定するために多様な問題の出題が望ましいことなどが示唆された。