2021 年 31 巻 p. 21-26
本稿は,入学者の多様性と入試区分の関連を検討する際の視点として,自己管理学習に対するレディネス尺度(SDLRS)を取り上げ,データを用いて,その有用性を検証するものである。分析には,新入生アンケートで得られたデータを用いており,主成分分析による項目の検討,ならびに,変数の合成を経て,SDLRSと入試区分で分散分析を行った。分析の結果,SDLRSのうち,「学習に対する自己責任の受容」と「探究心」の2つが入試区分との関連において統計的に有意であることが明らかになった。具体的な特徴として,センターなしAO・推薦による入学者は他の入試区分より,学習に対して無責任さはあるものの,学習に対する探究心が高いことがわかった。