大学入試研究ジャーナル
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高校調査書の「出欠の記録」の評価活用の検討
――大学入学後の学籍状況とGPAとの関連――
林 寛子
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2021 年 31 巻 p. 251-256

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抄録

本研究は,高校調査書の活用の是非,および活用方法の検討の一つとして,高校調査書の「出欠の記録」に注目し,山口大学の受験者および入学者のデータを基に調査書活用の有効性を検証することが目的である。高校の欠席率は大学入学後の学籍状況,学業成績に影響を与えるという仮説を検証するために,山口大学受験者の「出欠の記録」の実態,および入学者の「出欠の記録」と入学後の状況との関連を分析した。結果,高校の欠席率が高い者が退学し,学業成績が低い傾向にあることが確認できた。しかし,高校調査書の「出欠の記録」と大学入学後の在籍状況や学業成績に関連があるとしても,それを大学入試の評価に用いることには新たな疑問も生じ,慎重に検討しなければならないと考える。

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© 2021 独立行政法人大学入試センター
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