2021 年 31 巻 p. 43-48
本研究では,国立の教員養成大学・学部の入学者選抜における「主体性等」評価に関して,当概念がいかなる方針の下に措定されているのかについて,アドミッション・ポリシーを対象とする実態分析を行い,論点整理を図った。分析の結果,①入学者に求める能力・資質像としては,「資質・態度」領域に関する言及が,「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力」に比して多いこと,②「資質・態度」領域の下位概念として,「行為系概念」,「素養系概念」,「態度志向系概念」といった概念構造を設定し得ること,中でも「献身性」,「意欲・意志」に関する言及が多いことを確認した。さらに,高大接続改革答申で求められている主体性等概念及び社会課題的文脈との連関性を検討した結果,「主体性等」は「態度・行動」概念と,「社会課題的文脈」は「意欲・意志」概念との間に相対的に強い親和性があることが判明し,今後はこれらの統合的な視座が必要になる旨を指摘した。