2024 年 34 巻 p. 24-30
高等学校学習指導要領の改訂に伴い,2022 年度入学生から生徒指導要録に記載することとされた観点別学習状況の評価の実施状況について,先進的に取り組んでいる県の教育委員会および茨城県内の高等学校に聞き取り調査を行った。「主体的に学習に取り組む態度」の評価について試行錯誤を重ねている姿が明らかになったと同時に,高等学校内部では教務部が意欲的に取り組んでいることも伺うことができた。また高等学校のタイプによっても観点別学習状況の評価についての理解の進度に違いが見られることも明らかとなった。学年進行によってこの評価は浸透していくと思われるが,大学入学者選抜等への活用については,高等学校の意向も踏まえた慎重かつ漸進的な検討が必要である。