2026 年 36 巻 p. 145-152
新潟大学(以下,本学)では高校生や高校教員に向けて,種々の入試広報事業を展開している。その多くが長期にわたって毎年実施されているものであり,その形式や内容などルーティン化されている。一方で,当初の目的や開始の経緯など,過去に遡って見ていこうとしても詳細な記録が体系的に残っていないケースもある。そこで本稿ではいわば二次資料ではあるが,かつて本学の入学センター(現・アドミッション部門)が作成した『全国高等学校訪問事業と高等学校教員招聘事業』という冊子を中心に,高校教員対象事業の開始について整理した。危機感の共有・トップダウン・事務方の連携が事業開始を進めたことを明らかにするとともに,入試広報の中長期的な検証において,記録化・保存・長期的な共有の必要性について言及した。