2026 年 36 巻 p. 195-202
本稿は,山口大学に入学した山口県出身者の地元定着を規定する要因を,入学者追跡データに基づき分析したものである。分析の結果,自県就職の有無は,高校段階における養成系学部の選択において強く規定されており,入学前の職業意識が地域移動を決定づける主因であることが明らかになった。加えて,大学における学業成績(GPA)も統計的に有意差があり,地元定着を補強する要因として機能していることが確認された。一方で,非養成系学部の女性には他県への流出傾向が見られる。大学は地域創生に向け,高校段階からのキャリア形成支援を含む高大接続の強化や,大学入学後の大学教育やキャリア支援の強化,および若者,特に女性にとって魅力的な仕事の創出の重要性が示唆された。