2002 年 11 巻 2 号 p. 93-97
心雑音を主訴に来院した犬(縄文柴犬、雌、1歳7カ月齢、10.52kg)に、心臓超音波検査をはじめとした各種検査を実施し、第二度房室ブロックを併発した心室中隔欠損症と仮診断し、心カテーテル検査にて膜性部心室中隔欠損症と確定診断した。左室容量負荷が確認されたため、中心冷却体外循環法による開心術を実施し、欠損孔の閉鎖を行った。術後、第二度房室ブロックは消失し、左心系の容量負荷も改善され、良好に推移している。第二度房室ブロックが消失したのは欠損孔閉鎖術による左心への容量負荷改善によるものと考えられた。