抄録
ウサギの参照値を求めることを目的に,臨床上健康な家庭飼育ウサギ110頭から採血し,生化学分析装置「富士ドライケム7000V(FDC)」にて24項目の測定を行った。いずれの項目も溶液法との間に高い相関性が認められ,測定値の有用性が確認された。しかし,一部の項目,特にカルシウムおよびアルブミン(ALB)値では測定値の差が大きかったことから,装置ごとの参照値を使用すべきであると思われた。総タンパク(TP)とALBの両方を測定した101検体中10検体でALBがTPを上回った。そこで,診断にあたってはALB値の補正が必要と考え,いくつかの測定法について比較検討した上で,電気泳動法を基として補正値を算出した。