動物臨床医学
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そう痒症を伴う犬におけるイベルメクチンおよびミルベマイシンオキシムによる犬疥癬の診断的治療効果
藤村 正人増田 健一阪口 雅弘
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2005 年 14 巻 3 号 p. 81-84

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抄録
そう痒症を主訴として来院した犬45例についてイベルメクチンまたはミルべマイシンオキシムを用いた診断的治療法を実施した。45例中2例(4%)は皮膚掻爬試験で犬疥癬が検出され,この診断的治療で症状の改善が認められた。一方,皮膚掻爬試験で犬疥癬が検出されなかった43例中13例(29%)においてもこの診断的治療法によって,痒みが改善した。これらの13例中,5例は抗生剤や抗菌シャンプ-を併用した。この5例を除いた8例(18%)の犬は,皮膚掻爬試験で疥癬の虫体と卵が検出されなかったが,疥癬の感染が強く示唆された。43例中30例(67%)の犬においてこの診断的治療法は効果がなかった。これらの結果から犬疥癬症を除外診断するためには,診断的治療法が必要であると考えられた。
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© 2005 動物臨床医学会
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