2008 年 17 巻 1 号 p. 11-13
獣医臨床で,動物の大きさにかかわらず適切な造影効果の得られる造影CT検査のためのプロトコールについて検討した。本実験では,犬および猫(214頭)を対象とし,非イオン性ヨード造影剤(600 mgI/2.0 ml/kg)を,5秒,10秒,15秒,20秒,30秒のいずれかの速度で注入した。造影剤注入時間が10秒以下では,大動脈の時間濃度曲線のピークの幅が狭くなり撮影タイミングをとることが困難であった。一方,30秒では時間濃度曲線はブロードとなった。獣医療での造影CT検査では,注入時間は15-20秒が妥当と考えられた。今回設定したプロトコールにより小動物において再現性の高い造影CT検査の実施が可能である。