動物臨床医学
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Case Report
コントラスト心エコーを用いて右左短絡の動脈管開存症と診断した赤血球増加症の犬の1例
藤岡 聖子船津 敏弘前田 紀子小田 明良香田 麻衣子坂本 綾香萩尾 光美
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2010 年 19 巻 3 号 p. 87-90

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抄録

無症状の赤血球増加症の犬が来院した。一般臨床現場で行った心エコー検査から,著明な右心室の求心性肥大と心室中隔の扁平化が認められた。このことから,赤血球増加症は動脈管開存症や肺動脈弁狭窄症などの心疾患に起因しているものと考えられた。しかし,カラードプラ検査では各弁における逆流や短絡性疾患を疑うカラーシグナルは検出されなかった。このため,宮崎大学で精査したところ,生理食塩液によるコントラスト心エコー法で右左短絡の動脈管開存症が診断された。臨床上,生理食塩液を用いたコントラスト心エコー法は簡便で極めて有用な検査法であると考えられた。

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© 2010 動物臨床医学会
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